人物

元気で明るく素直な少年。自由奔放な性格で、思考よりもまず行動が先になる。後先考えないその判断が、ときには失敗したり問題を起こしたりする場合もあるが、目標に向かってくじけずに進んでゆくさまは人々の「希望」であり、夢と大きな現実に立ち向かってゆく「若者」の姿そのもののようでもある。主人公としてふさわしい勇気と優しさを兼ね備え、また、愛するもののために戦える強さも持ち、その魅力が、困難な冒険の旅を成功に導く原動力となっている。

能力

作品の主題となっていることからもわかるように、太陽を呼ぶ力、すなわち「太陽の子」としての不思議な能力を持っている。太陽を常にその背に負い、様々な危機から仲間たちを救う。
運動神経抜群で、逆立ちして歩いたりすることはもとより、「黄金の大コンドル」を狭い谷間で手足のように曲芸飛行させることもできる。
唯一の弱点は、極度の「高所恐怖症」に陥っていたことだが、それは、「太陽の子」としての能力を人々に無理強いされていたためだった。その弱点も、彼が成長するにしたがって克服されることになる。

原作では

エステバン・デ・サンドバル。1524年9月25日生まれ。15歳。
イスパニアのロンダの町出身。
コルテス海（今のカリフォルニア湾）を北上中のガレオン船に「地図技師」として乗り込んでいた彼は、アラルコン提督配下のメンドーサ隊長のもくろみに巻き込まれて、提督の姦計により、メンドーサもろとも船を降ろされてしまう。
命からがら新大陸に上陸したエステバンたちは、メキシコ先住民の娘、シアの案内で「黄金郷シボラ」にたどり着くが、黄金の一部をイスパニア王に差し出さなかった罪「キント・レアル（五分の一税）」で、新スペイン（今のメキシコ）ベラ・クルスの要塞に幽閉されてしまうことになる。
1541年9月25日。奇しくも17回目の誕生日に開かれる初公判を機に、エステバンは一人、独房で探険記を著しはじめる。
運命の判決を前にして。