 |
| Planète Magique入場証 当時使用されていたものです。 絵柄は、エッフェル塔がデザインされたもの（上）と、宇宙をイメージしたもの（下）の2種類があります。 クレジットカードと同じ大きさです。 |
| カード提供：Emmanuelさん |
| 1989年12月19日。 パリの中心、セーヌ川の北に位置する「レ･アール地区」に、いっぷう変わった巨大なテーマパークがオープンしました。 「Planète Magique」（プラネット・マジック）と名づけられたその建物は、フランスのアニメーション制作会社「DIC」プロデューサー、「Jean Chalopin」氏によって設立された大型アミューズメント施設でした。 『Les Mystérieuses Cités D'Or』をはじめ、『Ulysses31』（日本名：「ユリシーズ31」）などの日仏合作アニメーションなどで大成功を収めたJean Chalopin氏は、自らのプロデュースする「DIC」作品のキャラクターを扱った、「子供たちのためのテーマパーク」を創設することを企画したのです。 それは、「ディズニーランド」のような壮大なテーマパークを目指したものでした。 「Planète Magique」は、「Le Centre Pompidou」（ポンピドゥー･センター）に程近い、10,000平方メートルの広さを持つ公園に建てられていた、「Le théâtre de la Gaité Lyrique」という歴史ある古い劇場を取り壊して建設されました。 建物は何層もの階で構成され、各階に設けられた部屋には、『Ulysses31』、『Jayce and the wheeled warriors』、『Dennis the menace』、『The Littles』などといったDIC作品のほか、『Yoko Tsuno』、『Les Tuniques bleues』など、ヨーロッパの有名なコミック＆アニメーションの世界観を模したアトラクションが作られました。 ほとんどのアトラクションは、アニメーションの世界を再現したインターラクティブ＆アドベンチャータイプのもので、そこには、キャラクターの人形やビデオなどの映像とともに、小さな機械を使った「ミニゲーム」などがありました。 最後のアトラクションとなる『Les Mystérieuses Cités D'Or』のアトラクションは建物の最高階にあり、そこはいくつかの小部屋に分かれていました。 アトラクションを訪れた子供たちが、機械や道具を使って部屋に仕掛けられた簡単な「謎」を解くと、つぎの部屋への入り口が開き、最後に「隠された黄金都市の扉」を見つけるというものでした。 そして、すべての部屋を巡った子供たちは、メインアトラクションの「ブルードラゴン･コースター」に乗って、「地上の世界」に戻るのです。 そのほかにも、巨大スクリーンによる映画や、レストラン、売店、地下には、子供たちのためのナイトクラブや、子供番組を撮影するテレビスタジオなどが設けられていました。 ……しかし。 「Planète Magique」は、その後まもなく「閉鎖」されることになります。 セキュリティーと資金上の問題というのがその理由でした。 「Planète Magique」は、誕生からわずか12日後の1989年12月31日に、その短い生涯に幕を下ろしたのでした。 それは「幻のアミューズメントパーク」として、時代の中に忘れ去られてしまったのです。 |
| 2003年。 パリの管理局は、「Planète Magique」の取り壊しを決定しました。 閉鎖から14年。短命に終わった「Planète Magique」は、その後、セキュリティ上の理由から立ち入ることが禁止され、廃墟と化した建物が、訪れる人もなく公園に取り残されていたのです。 「Planète Magique」の跡地には、デジタルアート・テクノロジー、音楽のための施設が建設されることになりました。 幸運にも、フランス在住のEmmanuel氏は、パリ管理局の許可を得て、取り壊しが目前に迫った「Planète Magique」の内部を取材・撮影することができたのです。 それでは実際に、「Planète Magique」の内側を見ていくことにしましょう。 |
|
| Planète Magique入場証 当時使用されていたものです。 絵柄は、エッフェル塔がデザインされたもの（上）と、宇宙をイメージしたもの（下）の2種類があります。 クレジットカードと同じ大きさです。 |
| カード提供：Emmanuelさん |
ここから先は「館内」です。
入場ご希望の方は、窓口にて「入場証」をお求め下さい。
なお、館内には「画像ファイル」が多数展示されているため、表示に少々お時間が掛かります。
